02.10.31(Thu) Good morning,Mr.Sandwich. |
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今日もその男は街角に立つ、それが彼の仕事だから。ぼんやりと街角に立ち、体の前後につけられた板を街行く人に見せるのです。体を板に挟まれていることから、人は彼をMr.サンドウィッチと呼ぶ。
彼はどんな悪天候でも街に立つ。寒い北風が吹く極寒の地でも彼の仕事は変わらない。体の芯まで冷え切るような寒さの中、コートを羽織って体を温めながら、前後の板を人に見せるのです。 炎天下でもやっぱり彼の仕事は変わらない。灼熱の太陽が彼の肌に火傷を負わせようとも、彼は微動だにせず、前後の板を人に見せるのです。
Mr.サンドウィッチは一人じゃない、彼には仲間がたくさんいる。しかしそんなのはどうでも良いこと。立って広告を見せればそれで良い、その中のものの個性などは関係ないのです。一人がいなくなれば他のものが取って代わる。それに、もし代わったことに街行く人が気づいたとしても、Mr.サンドウィッチと呼ばれることには変わりはないのだから。
こう言っては何だけれど、彼は広告それ自体に興味がないのです。広告主には申し訳ないのだけれど。どんな文字が書かれていても、それがどんなに立派な文句でも、人は気にも留めないのだから。 ただ彼の中身、彼自身には興味をもってもらいたい。そうしないと彼の、Mr.サンドウィッチとしての意味がなくなりそうな気がして。他の誰でもない、彼が彼であるために、彼は今日も街に立つ。
今日も明日もあさってもその男は街角に立つ、それが彼の仕事だから。ぼんやりと街角に立ち、体の前後につけられた板を街行く人に見せるのです。
おはよう、Mr.サンドウィッチ。今日の中身は卵だね、とっても美味しいよ。
■ サンドイッチ
インターネットマガジン【konet】、コラム、過去の雑学コラムより
賭トランプの最中に両手でナイフとフォークを使えず、食べる時間もないことからサンドイッチを考案したサンドイッチ伯爵。しかし、自分で作るとなるとサンドイッチはとっても手がかかるのです。ホットサンドイッチでは言うまでもないでしょう、平日の朝から作るのは無謀なのかもね |
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