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映画評あるいは感想 邦画
サトラレ
 サトラレ、自分の考えていることが思念派となって半径10メートルの人間に伝わってしまう。サトラレ保護法によって守られている病院の新人医師里見と病院内の人々。サトラレとその周囲の人々のお話。
 だれでも人の考えをのぞき見たい、心の奥底を覗いてみたい。そんな願望への強烈なアンチテーゼ。

 もうサトラレという内容からして、話の帰結はわかっているのです。それをどう見せるか、焦点はそこに絞られてきます。

 コメディー風な、もしくはコミカルな話は、ものすごく真剣に。画面の中で馬鹿みたいに浮かれた様子を見せられると、かえって白けてしまうのですよ。今の日本のテレビ番組、視聴率が良いものは殆どこういう白けたものを作ってよろこんでいます。見るものはかなりの苦痛。苦痛を感じない人は、ならされてしまっているのか。サトラレ、面白いです。

 頭の中で考えていること、そこに表現の自由はあるのか?イエス。しかしそれを口に出して良いのか?ノー。言って良いことと悪いことがあります。
 言ってはいけないことを口にしたとき、それは表現の自由と言うよりむしろ言葉の暴力というべきでしょう。それが垂れ流しになったとき、周りの人の反応はどうなるのか?当然ですが悪い反応しか返ってこないでしょう。気味が悪ですから。

 人の心には暗部があり、そこに介入はされたくない。良いことだけ相手に伝えたい。知ってもらいたい。人間勝手なものです。人間の心について深く考えさせられました。

 いい人にならなくちゃなぁ。人に対してもっとおおらかになろう、もっと情け深い人になろう。

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