飛行機雲が見える、ぼくはベットに横たわり流れ行く雲を見ていました。その時に体調を崩して学校を休んで、うつろな目をしながら外を何の気もなく眺め、早く学校に行きたいとだけ願うのです。
当時からラジオっ子だった僕は、その日もFM放送をつけていました。部屋の中に流れるひこうき雲を聞きながら、わけもわからず一人涙していた覚えがあります。まだ恋愛云々という年ではなかったのですから、何で泣いたんでしょうかね。ひこうき雲が発表されたのは僕の生まれた年だというのを、後々レコードを手に入れて知りました。
さて、のんのさんの感想。こんかいのお題「恋人」では創作日記を書かれました。解釈が何通りにも出来る文ではないでしょうか。
・主人公が犬になってしまったのか、それとも主人公の彼女が犬になってしまったのか?
・夢の中の話かもしれない、ひょっとしたら病院のベッドの上で見た夢?
・何か大きな事故でもしたのかも。で、記憶が混乱していて、左手の痛みと共に彼女の記憶が甦った。
・自分の話している内容か、もしくは友人の話している内容かがあいまい。ひょっとしたら彼女が話しかけていたのかも?
数回読み返してもわからなかったのは、夢の中か、あるいは病院という設定のためかな。ふわふわと現実感のない、何とも奇妙なお話です。
最後の一文「美佐子、おまえ犬だった?」。これを聞いたときの美佐子さんの心境は。たぶん、僕が小学校高学年の時にひこうき雲を聞いて泣いた時のような感じではないのでしょうか。よくわからないもやもやとした、つかみ所のないひこうき雲のような感情がこみ上げて来るのでは。でも、一筋のひこうき雲はすぐに消えてしまいます。美佐子さんの気持ちもすぐに消えるでしょう。
今、CDから流れる荒井由美のひこうき雲が終わり、余韻も部屋から消え去りました。と同時に、約二週間に渡ったRoadNew!の企画も終わりを告げるのです。みなさまありがとうございました。
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